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ダスキンに聞く
家事支援サービスが生み出す“時間のゆとり”

仕事と暮らしを両立する選択肢

共働きや子育て、そして介護といったライフステージの変化に伴い、日々の家事は多様化し、負担も大きく変わってきます。そうした中、掃除や洗濯、料理などで外部の力を借りる「家事支援サービス」への関心が高まっています。一方で、「どんな人が来るの?」「サービスの質は大丈夫なの?」と利用を迷う声も少なくありません。そこで今回は、家事支援サービスを全国規模で幅広く展開するダスキン(本社・大阪府吹田市)を取材しました。家事支援は掃除・洗濯・料理・買い物などをプロに任せ、暮らしにゆとりを生み出す選択肢。こうしたサービスをどのように取り入れていけばよいのでしょうか。ダスキン訪販グループ事業本部メリーメイド事業部の吉川礼子事業部長にお話を伺いました。

ダスキン訪販グループ事業本部メリーメイド事業部 事業部長の吉川礼子さん

記事のポイント

  • 家事支援サービスは、仕事や育児、介護と暮らしを両立するための選択肢
  • 家事の負担を軽くし、家族と過ごす時間や心のゆとりを生み出す
  • 安心して利用するには、第三者認証やスタッフの教育体制を確認する
  • 勤務先の福利厚生や自治体の補助制度を使えば、費用を抑えられる場合もある

■家事支援サービスとは? 家事を外部に任せる選択肢

家事支援サービスとは、家庭内の家事を専門スタッフが代行するサービスです。掃除や洗濯、料理、買い物など、日常的な家事を依頼できるのが特徴です。家政婦を個人で雇う場合と異なり、ダスキンでは、各店舗が直接雇用したスタッフが利用者宅を訪問してサービスを提供しています。利用時間は1回2~3時間程度が一般的で、多くの場合、時間単位で料金が設定されています。

似たサービスにハウスクリーニングがありますが、こちらはエアコンや換気扇の内部などを専門機材や洗剤で清掃するサービスで、単発での利用が中心となります。家事支援が日常的な家事を代行するのに対し、ハウスクリーニングは専門的な清掃を行う点が特徴です。

経済産業省が帝国データバンクに委託した調査によると、家事支援サービス市場は年々拡大しており、2021年度の市場規模は約807億円を記録しています。ダスキンやベアーズ、ミニメイド・サービスといった大手企業に加え利用者とのマッチングにAIを活用する企業CaSy(カジー)なども登場しています。

■共働き・子育て世帯で広がる家事支援サービスの利用

かつて家事支援サービスは、一部の富裕層が利用するものというイメージがありました。ところが、共働き世帯の増加や女性の社会進出の進展を背景に、利用者層が大きく広がっています。「1990年代後半以降、多種多様なお客様にサービスを利用していただけるようになりました」と吉川氏は振り返ります。

家事支援サービスの利用は年々増えてきていると語る

それまで中心だった50~60歳代の金銭的に余裕のある専業主婦層に加え、近年は仕事や子育てに追われる30~40歳代の利用が増加。家事をすべて家庭内で抱え込むのではなく、必要な部分だけ外部の力を借りるという考え方が徐々に浸透してきました。

ダスキンでも1989年に「メリーメイド」というブランドで、ホームクリーニングを手がける米国企業と提携して家事支援サービスを始めました。当初は「家事は自分でするもの」という考え方が根強く、利用に抵抗を感じる人も少なくなかったといいます。

吉川氏は、「『ダスキン』のロゴが目立たない車で来てほしいと言われることもありました」と当時を振り返ります。プライベートな空間に他人を招き入れることへの心理的なハードルも高く、利用者は比較的高齢の富裕層が中心だったそうです。

■家事負担の軽減だけではない 利用者が感じる“心のゆとり”

では、実際に私たちはどのくらい家事に時間を使っているのでしょうか。ダスキンが2022年9月に実施した「家事の悩みに関する意識調査」によると、1日の家事時間は平均1.76時間でした。男女別では男性が約1時間、女性が約2.5時間で、その差は約1.5時間になりました。家事分担に不満を感じている割合も、男性が約24%だったのに対し、女性は約50%でした。依然として家事負担が女性に偏っている実態がうかがえます。

仕事と家事の両立に追われる人が多い中、家事支援サービスやハウスクリーニングを利用したことがある人のうち、約3人に1人が「夫婦喧嘩が減った」と回答しています。ダスキンが利用者に個別に行ったアンケートでも、「家がきれいになった」という満足感だけでなく、「気持ちが楽になった」という声が目立ちました。

「掃除しなければという重荷から解放され、家族にも優しく接することができるようになったという声もあります。家事支援サービスの価値は、家事そのものを代行することだけでなく、利用者の心にゆとりを生み出すことにもあると思います」と吉川氏は話します。

■家事支援サービスを選ぶときのポイント 認証制度も参考に

家事支援サービスに関心はあっても、「知らない人を家に入れるのは不安」という人は少なくありません。安心して利用するためには、事業者選びも重要です。その際の判断材料の一つとして参考になるのが、全国家事代行サービス協会による「家事代行サービス認証制度」です。ダスキンは全国の店舗で「家事代行サービス認証」を取得しています。

この制度では、日本規格協会と連携し、「安心・安全」「機能同等性」「接遇」の3つの観点から事業者を評価します。「安心・安全」は事故やトラブルを防ぐ体制、「機能同等性」は一般家庭が求める家事水準を満たしているかどうか、「接遇」は利用者への対応やマナーを評価するものです。認証の有効期間は3年間で、認証企業には認証マークが付与されます。事業者選びに迷った際は、こうした第三者認証の有無を確認してみるのもよいでしょう。

家事代行サービス認証について説明する吉川さん

■安心して利用できるサービスづくり

利用への不安を少しでも減らそうと、ダスキンでもさまざまな取り組みを進めています。2025年6月からは、一部コンビニ内に設置されているリモート接客サービスのメニューの一つとしてアバター相談員による掃除相談サービスを展開しています。スタッフ教育にも力を入れており、メリーメイド事業を行う全店舗に社内資格を取得したマネジャーを1人以上配置。資格は3年ごとの更新制で、技術や知識レベルの維持・向上を図っています。

研修では掃除や整理収納などの技術だけでなく、利用者宅でのマナーも重視しています。吉川氏は、「たとえ家主が不在であっても、玄関では必ずインターホンを鳴らしてあいさつをするなど、細かな行動の積み重ねが信頼につながっていると思っています」と話します。

現在、ダスキンでは全国約800拠点で多くののスタッフが活動しています。スタッフは40~50歳代が中心で、女性が9割以上を占めています。また、2017年からは国家戦略特区に指定された大都市を中心とする地方自治体において、外国人スタッフの雇用も進めています。

■福利厚生や自治体支援も拡大 サービスを活用しやすい時代へ

家事支援サービスを継続的に利用する場合、費用も気になるところです。ダスキンのメリーメイドでは、「家事おてつだいサービス」「お掃除おまかせサービス」「おかたづけサービス」などを展開しています。サービスの内容や地域によって料金が異なりますが、家事おてつだいサービスは1名2時間8,000円~(税抜)で定期的にご利用いただけます。ハウスクリーニングを定期的にご利用いただけるお掃除おまかせサービスでは、キッチンと浴室を4週間に1回16,000円~(税抜)など、利用者の要望に合わせたメニューがあります。

一方で近年は、女性活躍推進や仕事と家庭の両立支援の観点から、福利厚生として家事支援サービスを導入する企業も増えています。自治体によっては子育て世帯などを対象に利用料の補助制度を設けているケースもあります。

「自治体の支援制度や勤務先の福利厚生を調べてみると、思ったより利用しやすい場合もあります。まずはお試しプランなどを活用してみるのもよいと思います」と吉川氏。

仕事と家事、育児や介護の両立が求められる時代。家事支援サービスは家事を手放すためではなく、自分や家族の時間を生み出すための選択肢として広がっています。暮らしに少し余裕を持たせたいと感じたとき、活用を検討してみてもよいかもしれません。